おまんじゅうの怪
あとでこっそり食べようと、
大事に隠しておいたおまんじゅう。
けれど、しまった本人はそのことをすっかり忘れ、
気づけば長い時間が流れていました。
誰にも見つけてもらえないまま、
ただじっと待ち続けたおまんじゅう。

それでも時々、どこからともなく
あたたかい餡子のような甘い匂いを漂わせます。
「そろそろ思い出してくれるかな」
「今度こそ食べてもらえるかな」
そんなことを考えながら、
今もひっそりと待っているのかもしれません。

忘れられてしまったのに、どこかけなげ。
少し不思議で、少し切ない。
それでも眺めていると、なんだか放っておけない。
そんな物語から生まれた「おまんじゅうの怪」です。
ころんとした姿と、どこか愛嬌のある表情は、
棚の上や机の片隅に置いても、ふと目に留まる存在感。
食べることはできませんが、
今度こそ忘れずに、そばに置いてあげてください。

赤い文字は「ぬ」「よ」「め」「ゆ」。
誰かの名前の頭文字?暗号?
読めそうで読めない、意味がありそうで分からない。
その違和感も、この妖怪の正体のひとつです。

【A/ぬ】
【B/よ】

【C/め】
【D/ゆ】

⇒製作者インタビュー、製作秘話はこちらから
【名嘉 亜沙恵(なか あさえ)】
絵付や線彫を中心としたやちむんの制作を行う。器づくりに携わる一方で、シリーズ作品のデザインも手がけ、
伝統的な技法を土台にしながら、独自の表現を追求している。繊細な線による絵付や彫りを得意とし平面にとどまらず、オブジェや立体作品など、造形性の高い表現にも取り組む。
やちむんの持つ素朴さや力強さを大切にしながら、かたちや線、余白を通して、
静かな存在感を感じさせる作品を生み出している。

こちらの作品は、育陶園が展開する店舗「Etha」で、開催した企画展「奇々怪々展」で発表した作品のひとつです。「奇々怪々展」では、沖縄に伝わる妖怪や不思議な存在、そして職人たちの自由な発想から生まれた、少し不気味で、どこか愛嬌のある作品をご紹介しました。
会場でお楽しみいただいた作品の一部を、今回オンラインショップでもご覧いただけます。

[バリエーション] おまんじゅうの怪
[サイズ] 直径約8cm ×高さ3.5cm 約125g
[素材]陶器
[取り扱いについて] 陶器(やちむんと)の付き合い方はこちら
[ご購入前にご理解頂きたいこと] 必ずご確認ください
