シーミー日和と、啓子さんの重箱料理

シーミー日和と、啓子さんの重箱料理

今日は、小雨降る曇り空のもとで高江洲家のシーミーでした。

沖縄には春の訪れとともに大切な年中行事「清明祭(シーミー)」があります。旧暦3月、ちょうど梅雨入り前のこの時期は、県内各地でご先祖様に手を合わせ、家族・親族で集うあたたかな時間が流れます。

週末になるとあちこちの道路で「シーミー渋滞」が起きるのも、沖縄ならではです。

 毎年、那覇・識名にある墓地に読谷など各地から親族が集まります。一人一品の持ち寄りで、お墓の前に並べた料理を囲み、近況を報告したり、子どもたちの成長を喜び合ったり、つながりを感じる日でもあります。

義母・啓子さんが作る重箱料理は沖縄行事にはかかせない味。前日の夜から、ごぼうやこんにゃくを切り、豚肉と昆布の旨味を生かした出汁を取りながら、ひとつひとつ丁寧に仕込んでいました。沖縄料理は、出汁が大切。家庭によって具材や味付けはさまざまですが、啓子さんの味は、お義母さんや親戚の味を受け継ぎつつも、少しずつ工夫を重ねたオリジナル。今年の重箱は、豚肉・ごぼう・こんにゃく・厚揚げ・昆布・カステラかまぼこ・白かまぼこの7品。重箱の詰め物は奇数が良いとされています。

手間と愛情を注ぐ啓子さん丁寧さと心のこもった料理、食の文化をつなぐ大切な事だなと思いました。

重箱料理のほかに、お餅や果物、花、お線香、ビンシー(お祈り用の木箱)、そしてみんなが持ち寄ったごちそうをならべました。ビンシーを忘れるハプニング、屋根がないので雨に少し打たれながらも、親族で集まりいい時間を過ごすことができました。

 日々、育陶園がやちむんを通して大切にしている「人とのつながり」は、沖縄の暮らしの行事からも感じることができました。