教えて鶴さん!「線彫」

 『壺屋焼』という言葉からイメージされるさまざまな模様・絵が描かれた陶器。
 壺屋焼は、多彩な装飾技法がその特徴の一つとして挙げられる焼き物ですが、その中でも多用されているのが、「化粧線彫り・化粧掻き落とし」と呼ばれる技法です。


 そのまま焼くと「グレー」や「濃茶」となる土の表面を「化粧土」と呼ばれる白い土でコーティングし、その白い土を部分的に削り「グレー」や「濃茶」の土を彫り出すことで、文様や絵を現す装飾技法です。私たち育陶園の商品でも、唐草や魚紋など様々な商品で使用されています。
 化粧土と素地は性質が違う別の土であるため、焼いたときの相性をよく調整する必要があります。さらに、素地に化粧をかけるタイミング、化粧土の厚みを一定にするための滞りない手の動きなど、かなりの慣れが必要です。


 スムーズに彫ることのできる時間は、意外に短く、手で持っている少しの間でも乾いて硬くなっていってしまうため、スピードやタイミングが求められる装飾技法でもあります。
 さらに、彫った部分の塗りなおしなどができないため、どの段階も一発勝負の装飾技法です。
 そのためか、線彫りによって彫られた線や絵には、筆描きとは、また違ったシャープさ・メリハリも生まれているように思います。 


 歴史的には、中国北部の「磁州窯」と呼ばれる窯で、宋から金時代(10~12世紀頃)に焼かれた焼きものが、「化粧掻落とし」技法の作品として有名です。

 乾燥など様々な条件があるため、『体験』として実施することが難しい技法ですが、育陶園60周年感謝祭に合わせた特別企画として体験を実施できることとなりました。
 お子さんの大胆さ、大人の緻密さ。どちらもが器の表面で素敵に生きてくる技法です。
 この機会に、壺屋焼の代表的な装飾技法である『化粧線彫り』を体験いただけたらと思います。                     (育陶園 鶴田)

「育陶園60周年感謝祭 特別企画線彫教室」

通常の育陶園体験メニューにはない“線彫体験”を今回特別企画として実施します。 育陶園の看板商品でもある“唐草線彫”はじめ、様々な文様を普段職人さんたちが下絵なしで描いています。 器の乾燥状態、線彫りのスピードで仕上がりが変わる一番難しい技法ですが、小学生高学年のお子様から大人まで幅広く体験できることを想定していますので、ぜひこの機会にご参加ください!

【開催日】10/12(土)・10/13(日) 2日間のみ  
【定員】定員12名前後
【時間】9:30~11:30頃 ※9:30から受付と支払い、全員が終了後出発

【集合場所】那覇市壺屋1-22-33(育陶園本店前)集合
【実施場所】 裏手にある育陶園工房2階
      ※駐車場はございませんので近隣のパーキングをご利用ください

【対象】小学校高学年~大人 
※職人の使う彫刻刀を使用するので、絵付けなどより難しくなりますが、どうしても対象以下で参加させたいというお子様がいましたら、ご相談ください*
【内容】ペン立てに線彫(¥3,500/送料込)体験。体験の前に20分ほどの壺屋巡りと、工房見学があります。
【料金】お一人様 3,500円(送料込)  
    ※現金とpaypayのみ ※同一場所発送の場合2人目から¥3,000 ※海外発送不可
【お届け予定】焼き上がり後の発送は11月中。
【服装】汚れても良い服装※特に準備するものはありません。
    当日少し散策するので、帽子、飲み物などお持ちください。

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