沖縄のキジムナー

キジムナーにまつわる話は、私が小さい頃はあちこちで聞かれました。
叔母が小さな頃に、赤毛の子どもの格好をした何かが、部屋の中にいてこちらをじっと見ていたとか、父に至っては、大人になって酔っ払って帰る途中に、キジムナーに抱きつかれて、そのまま家に連れ帰り、なかなか離れてくれないので「エイっ!!」と思いきり投げ飛ばしたら、逃げていったとか。そして母にはキジムナーは見えなかったらしいですが父のその様子を一部始終みていたとか。
ちょっと、怖いような。でも会ってみたいような。
私が見ていた絵本では、友達になるとたくさん魚を持ってきてくれて、その人に富をもたらせたとか。
怖くて不思議な存在だけど、なるべく良い方向で解釈しよう!ということで、私たちのつくるキジムナーはかわいらしく、いつでもやさしくほほえんでくれる。そして小さな幸せを呼んでくれそうな。そんなキジムナーをつくりました。
自然がどんどん少なくなり、蛍も減り、キジムナーのお話しも最近はトンと聞かなくなりましたが、やっぱりあの世界が今もどこかに存在していることを、心の中で願わずにはいられない。
そんな想いで生まれたキジムナーです。