箱香炉獅子

箱香炉を製作しているのは、育陶園・獅子継承者の高江洲勇志(ちっち)。
今回は、そのこだわりについて話を聞きました。

きっかけは、現代の名工でもあった5代目・高江洲育男氏が製作していた香炉獅子が見つかったことでした。
その志と技を受け継いだ孫の勇志が、いまの育陶園らしい香炉獅子の形を模索し、誕生したのがこの箱香炉です。

香炉としての機能を高めるため、煙の流れを意識し、尻尾の後ろや箱の角など数か所に通気口を設けています。
また、蓋ものとしての精度にもこだわり、角がぴたりと合うよう、ナイフで土を丁寧に削ることで、調整を行い、丁寧に仕上げています。

また、釉薬も工夫を凝らしています。

獅子の部分と箱には異なる釉薬を用いています。

特に箱に使われている「燻色(いぶし)」の釉薬は流れやすいため、垂れないよう細心の注意を払っているとのこと。

焼成で燻の釉薬が流れてしまい、箱がくっついてしまったり、きれいに釉薬が溶けずに、いくつも商品にならなかったことがあるそうです。

いくつもの試作を行い、シーサーとしての存在感と香炉としての用途を兼ね備えた、箱香炉獅子です。

威厳をたたえつつも、どこかやさしさを感じるまなざしの獅子。
今回入荷の色は、辰砂ブルー・緑の2色。

手のひらにすっと収まるコンパクトなサイズ感も魅力ですので、お部屋の片隅みにそっと置いていただけます。

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